FXの基礎知識

ダブルトップ・ダブルボトムの本質を理解しよう。

ダブルトップ/ダブルボトムが形成されるとトレンド転換になる可能性が高いといわれていますが、なぜでしょう?

その本質となる買い手と売り手の心理状況を、買い好きブルくんと売り好きベアくんの心理状況を踏まえながら解説します。なぜなら、為替をはじめとする相場の世界は、人の大衆心理によって動きやすいといわれているからです。

では、さっそくいきましょう。

トレンドの一般的な定義

上昇トレンドの定義は、高値も安値も切り上がっていく動きです。

下降トレンドの定義は、高値も安値も切り下がっていく動きです。

今回は、上の画像のような上昇トレンドから始まり、ダブルトップを形成して下降トレンドへとトレンド転換していく例で説明していきます。

ダブルボトムも逆なだけで考え方は同じです。

【ダブルトップ形成までの大まかな流れ】

❶上昇トレンドが高値を更新できず

❷安値と安値を結んだトレンドラインを割り込む

❸ネックラインを割り込んできてMを形成する

❹サポレジ転換して下降トレンドが発生する

❶上昇トレンドが高値を更新できず

ダブルトップ前では、買い手が優勢で上昇トレンドが続いていますが、いつかは需要と供給のバランスが崩れ上昇トレンドの勢いがなくなり、前回の高値が抵抗線となって高値を更新しなくなるときがきます。

ここで、上昇トレンドの定義である高値を切り上がっていくという、一つ目の条件が崩れます。

そのときの買い好きブルくんと売り好きベアくんの心理状況はどうでしょう。

買い好きブルくん
買い好きブルくん
そろそろ上昇トレンドが終了するかもしれないなー。もう新規の追加注文はやめておこう。
売り好きベアくん
売り好きベアくん
やっと俺の出番がくるかもしれないから、注意深くみとくかー。

❷安値と安値を結んだトレンドラインを割り込む

安値と安値を結んだトレンドラインを割り込んできます。買い手と売り手の心理状況としては、さらにトレンド転換に疑念を抱き始めます。

買い好きブルくん
買い好きブルくん
あれー。トレンドレインも割ってきた。せっかくの利益失いたくないから、どこかで利益確定を考えないといけないなー。
売り好きベアくん
売り好きベアくん
よしよし、トレンドラインも割ったなー。どこのタイミングでショートしようかなー。

❸ネックラインを割り込んできてMを形成する

二つの山の間の安値に引いた水平線をネックラインと呼びますが、このラインを割り込んでダブルトップが完成します。

さらに、上昇トレンドの定義である安値も切り上がっていくという二つ目の条件も崩れ、上昇トレンドの定義が完全に崩れますので、トレンド転換の可能性が高まります。

買い好きブルくん
買い好きブルくん
これはまずい、損失だけは避けたいから今のうちに手仕舞いをしよう。
売り好きベアくん
売り好きベアくん
ネックラインを割ってダブルトップ完成したぞー。俺たちの出番だ。みんな売るぞー。

❹サポレジ転換して下降トレンドが発生する

上昇トレンドが終わった後は、下降トレンドが始まりますが、その前に重要なポイントがあります。それがサポレジ転換と呼ばれるものです。

では、重要なサポレジ転換とは何でしょう。

ネックラインは、最初サポートライン(支持線)として機能する予定でした。しかし、サポートラインとして機能せずに割り込んでしまい、ダブルトップが完成してしまいました。

だが、諦めの悪い買い手や、すでに利益確定した人が、押し目買いという形で再注文して、もう一度ネックラインに挑戦してきます。

そのときに、サポートラインとして機能していたネックラインが、レジスタンスライン(抵抗線)としての機能に変わり、そのレジスタンスラインが役割を果たし、再び反落することをサポレジ転換といいます。

その後さらに売り手の勢いが増し、直近安値を更新することで、下降トレンドの定義も完成し、トレンド転換になるのです。

ダブルトップ及びダブルボトムの注意点

ただし、今回説明したのは教科書通りの説明に過ぎません。相場に絶対はありませんしダマシも存在しますので注意が必要になります。

例えば、今回のパターンですと、多くの個人投資家は、ダブルトップが完成したため売りで入るかと思います。

しかし投資の世界で注意しなくてはならない存在がいます。それはヘッジファンドなどの大口機関投資家です。ヘッジファンドはこのように考えています。

ヘッジファンド男
ヘッジファンド男
よし。ダブルトップが完成して、個人投資家はみんな売りで入っているから、俺たちの潤沢な資金で相場価格を反転させて、個人投資家の資金を溶かしてやろう。

それによって、再度ネックラインを超えて、上昇していくパターンもあります。

そのときは多くの個人投資家が騙され、多くの損切りを巻き込みますので、勢いよく上昇する可能性もあるので注意が必要です。必ず損切りを設定をしましょう。

 

 

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