前回、確定申告が必要な人の条件を解説しました。今回は確定申告の具体的な記入方法について解説していきます。
確定申告に必要な書類
利益が出た人の必要書類
・確定申告書B(第一表・第二表)
・確定申告書第三表(分離課税用)
・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
損失が出た人の必要書類
・確定申告書B(第一表・第二表)
・確定申告書第三表(分離課税用)
・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
・確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)
※損失が出た人は、確定申告書付表が追加で必要になります。損失を3年間繰り越し控除できるため損失が出ても確定申告をしましょう。
確定申告書付表の記入方法は、こちらを参考にしてください。
- 年間取引報告書(利用しているFX会社から入手します)
- 源泉徴収票(勤務している会社から受け取ります)
FX確定申告書類の記入手順
❶先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
❷確定申告書B(第二表)
❸確定申告書B(第一表)
❹確定申告書第三表(分離課税用)
❺確定申告書B(第一表)
上記の流れで記入していきます。
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書の記入方法
ステップ1.取引の内容を記入する
- 雑所得用を丸で囲う
- 氏名を記入
- 種類には「為替証拠金」と記入
- 決済の方法には「仕切」と記入
ステップ2.総収入金額を記入する
- 差金等決済に係る利益又は損失の額に「為替差益」を記入
- その他の収入に「スワップポイントの金額」を記入
- 計に「為替差益とスワップポイントの合計金額」を記入
- 上記の金額をそのまま右側にスライドして記入
ステップ3.必要経費等を記入する
- その他の経費に「各自、今年使った経費の金額」を記入
ステップ4.所得金額を計算して記入する
- 所得金額に「総収入金額の計(4)から必要経費等の計(11)を差し引いた金額」を記入
計算方法
823,456ー6,000=817,456
確定申告書B(第二表)の記入方法
ステップ1.所得の内訳を記入する
- 住所と氏名を記入
- 所得の内訳を記入(源泉徴収票の支払金額及び源泉徴収税額を参考)
ステップ2.所得から差し引かれる金額に関する事項を記入する
- 所得から差し引かれる金額に関する事項を記入(源泉徴収票の社会人保険料等の金額を参考)
確定申告書B(第一表)の記入方法
ステップ1.収入金額等と所得金額を記入する
- 住所、氏名等の基本事項を記入
- 収入金額等の給与㋕に「源泉徴収票の支払金額」を記入
- 所得金額の給与⑹に「源泉徴収票の給与所得控除後の金額」を記入
- 他に副収入がない場合は、給与⑹を合計(12)に記入
ステップ2.所得から差し引かれる金額を記入して合計する
- 先ほど、第二表でも記入した「源泉徴収票の社会人保険料等の金額」を転記
- その他、生命保険料控除や地震保険料控除がある場合は記入
- 合計金額を(25)に記入し、(29)にも記入
確定申告書第三表(分離課税用)の記入方法
ステップ1.基本事項を記入する
ステップ2.収入金額と所得金額を記を記入する
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書の総収入金額(4)の金額を先物取引㋤に転記
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書の所得金額(12)の金額を先物取引(72)に転記
ステップ3.税金の計算で所得と所得控除及び対応分を記入する
- 総合課税の合計額(12)に「申告書B第一表の(12)の金額」を記入
- 所得から差し引かれる金額(29)に「申告書B第一表の(29)の金額」を記入
- (75)対応分「(12)から(29)を差し引いた金額」を記入
※1,000円未満切り捨てになります。 - (80)の対応分に「同紙、先物取引(72)の金額」を転記
※1,000円未満切り捨てになります。
ステップ4.税金の計算をして記入する
- (75)の源泉徴収税額を計算して(83)に記入
- (80)の申告分離課税額を計算して(88)に記入
- 上記を合算して(91)へ記入
計算方法は下記を参照してください。
❶(75)源泉徴収税額の計算
同紙の(75)×税率-控除額=(83)
例:395,000円×5%-0円=19,750円
課税額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 9万7500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 42万7500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 63万6000円 |
900万円超1800万円以下 | 33% | 153万6000円 |
1800万超 | 40% | 279万6000円 |
❷(80)申告分離課税額の計算
同紙の(80)×税率15%=(88)
例:817,000円×15%=40,850円
確定申告書B(第一表)の記入方法
ステップ1.計算した税金額を記入する
- (31)(41)(43)の三か所に、先ほど第三表の最後に記入した(91)の税金額を転記
ステップ2.復興特別所得税を計算する
- 復興特別所得税を計算し、所得税と合計
計算方法は下記を参照してください。
同紙の(45)×2.1%=(44)
例:60,600円×2.1%=1,272円
ステップ3.源泉徴収額を転記する
- 源泉徴収票から源泉徴収税額を書き写す
ステップ4.申告納税額を記入する
- (49)に申告する納税額を計算して記入
(45)-(48)=(49)
プラスの場合は(51)に転記(100円未満切り捨て)。
マイナスの場合は(52)に転記する。
- 税務署に直接提出
- 郵送
- e-Tax(イータックス)でインターネット申告する方法
e-Taxの詳細については、国税庁ホームページをご覧ください。
国税庁ホームページ「e-Taxサイト」